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2020/11/15

こころの音色 ~日々の暮らしの中で~ 21

意識と無意識

 

 Bさんはいつも尿意を気にして多い時は5分おきにトイレに行きます。トイレが心配で外出する気持ちにもなれずに部屋の中で過ごす事が多くなっています。その方は「おしっこの心配をしなくて良い生活を送りたい」と話します。(医療的には問題ないと診断を受けている)何とか力になれないか?と思いからお話を聴かせていただくと、「集中していればおしっこの事は忘れている事がある」と言葉にされました。私は考えます、「この方が集中できる物を探して、それに集中しておしっこの感覚が長くなれば、自信を持って外出する事が出来るのではないか?」と。

 

 早速、私は何か集中出来そうな手作業を考えます。「そうだ」と、私が最近始めた羊毛フェルトはどうか?あれなら単純に針を刺し続けるだけ、以前裁縫をやっていたBさんなら出来そうだと。翌日フェルトや針など物品を準備して、その方と共に作業を行いました。

 

作業中は、その方が好きな事を話題にしてお話しを続けました。いつも以上にお話をしてくださり、作業にも集中されました。1時間経過後、時計を見たその方は「あら、・・・もう1時間、・・・トイレに1時間も行かないで過ごせてる」と、目を丸くさせています。こちらから、「そういう事ですよ・・・今の時間、Bさんはいつもみたいにおしっこの事が1番じゃなくて、1番が手作業と会話になっていた。おしっこに意識が行かなかったら膀胱は1時間大丈夫な力を持っているんですよ。今の1時間の結果がBさんに本当の今の力です」と伝えました。その方は「ホントだ・・・すごい」と。こちらから「1時間振り返ってどうですか?」と聞くと「自信になるね・・・」と。

 

私はBさんへ「おしっこの事が気になっている日にこそ、部屋で羊毛フェルトをやってみてください。そうしたら、今日の様に意識が尿から離れて尿の事は忘れられる可能性があります。だって、今日がそうでしたから」と、伝える。その方は「部屋で一人でもやってみるわ」と笑顔で話され、その後も羊毛フェルトを部屋で行い尿の感覚が長くなり外出も少しづつ出来る様になってきました。

 

 人間の意識は、意識すれば無くても在ると思い込んだり、意識が薄ければ在っても無い状態になる。「あなたの心臓」と今、私がここに書けば、あなたはあなたの心臓に意識が行く。でも、「あなたの心臓」という言葉を私が書く前は、あなたの心臓は動いているのにあなたの意識に心臓は登らないので身体の中に在っても無いものになる。

 

会いたくない人にスーパーで合わない様にと願っていると、その人じゃなくてもその人と感じてしまい「ビクッ」とする。不思議なものです。

 

2020.8.27(成)