2回目だったので比較的馴染みやすい雰囲気でスタートできました。
私としては、定年を3月に控え、これからの生き方について考えたいという課題を持って参加しました。
我人生を振り返ると50歳頃までは仕事中心の生活でした。離婚を機に独り暮らしになってからは自分自身の心の内側を見つめる時間や機会を持てるようになりました。
その後、カウンセリングの勉強を始めたのは、家族、友人、職場の人々との会話で、相手の気持ちが分からない自分に気づき、このギャップを埋めるには、もっとコミュニケーション能力を高める必要性を感じたためでした。
カウンセリングの勉強を始めた4年間の中で、「あるべき思考」の強いことや外面的な評価に振り回されている自分に気づきました。そして、自分の内面から発しているつぶやきや叫び、喜び、怒り、悲しみなどに耳を傾け、あるがままの自分を受けとめて生きたいと思えるようになりました。
しかし、自分の心を聴くことは努力すれば出来るのですが、相手の気持ちがわかるということは、「話せる、聴ける」という信頼関係がなければ深まれない事がわかりました。
そのような信頼関係にもとづくコミュニケーションを、子供、姉、友人、同僚などと最近はようやく持てると実感して来ました。
私にとって、信頼関係に基づいて「話せる、聴ける」という状況は掛け替えのない貴重な場であり、今の私にとってエンカウンターに参加できる機会を得たことに感謝していました。
エンカウンターが進む中で10年前に感じていた「自分の拠り所が見出せず、いつも胸の中を風が吹き、他者との間に溝を感じ、生きることの虚しさだけを強く感じていた」ことを思い出しました。しかし、現在の自分にはその虚しさはほとんどなくなっていることがわかったのですが、参加者が「幼児のころの事故体験で母に伝えたかったが言えずにいたことを勇気を出して伝える事が出来た」と涙ながらに話された時、私に衝撃が起こりました。「私は母に本当に伝えたい事を話し、心からの会話をしてきただろうか?」「大に自分の心からの思いを伝えていただろうか?」その思いが湧き出でて私の心を占めました。
「私が本当に伝えたいと思っていたことを伝えていなかった」という強烈な思いにどう向き合うか?「自分の本当に伝えたい思いは何なのか?」今そこで立ち止まっている自分を感じるのですが先に進めずにいます。何かが胸に詰まっている感じがしています。