夢を見ました。
醒めてからも何だかいい気持ちで、夢で感じた心地よさがそのまま体に残っている様な寝起きでした。心地よさといっても、何か美味しい物を食べた様な・・・でも、欲しい物が手に入った様な・・・でもなくて、体中に満ちて来る、味わったことの無い様な感覚でした。
いつもの様にいつもの朝が、なんやかやと始まりまして、そのうちに消えてしまうだろうと思っていたのに、なかなか消えません。これはもったいないと思って、スケッチに残しました。
それからは、スケッチを見ると浮かんで来るものがあって、しばらく、その時々の自分を楽しんでいました。
たしか、「コレデイイノデスヨー」という声がどこからかしていました。自分が言っていたのかもしれません。この絵のどこかにその声があるようです。
ひとつだけ大きい○は自分だと、上から見ている自分が確かめていたようで、とてもキラキラしていました。まわりの無数の点は生きているところと覚えているけれど、もうただの点でしかなく丁度サンドペーパーの様に小さく光って、果てしなく続いていました。
自分は随分高い所にいて、同じ場所にひたすら浮かんでいました。体に風を感じて、バタバタと音もしていて、本当に体中の力が抜け落ちて下を見ているのでした。まてよ!自分は生きていく世界からこんなに離れている。それでこんな高い所に来てしまったのだろうか。離れたいのだろうか。それとも、こんなに遠くにいて生きていく世界を下に見ていられて、何か満足感を味わっているのだろうか。
ちょっとおもしろかったです。この行ったり来たりしている自分が。行ったり来たり、と感じるのは上で心地よさに浸っている自分がやがて、下の世界へ戻って行くのかなぁという想いと重なっているのですが。
こうして想い巡らせているうちに、次がやって来て「はっ!」としました。無数の点々の下はどうなっているのだろう。(夢の記憶には全く無かったことです。)鮮やかな色の血の流れが見えました。脈々と流れるとは、こういうことなのだろうか、と思われるくらいの血の流れです。文章にするとこうなってしまうのですが、一瞬のひらめきのように現れたのです。
そうしたら、「私」とか「欲」というものが、その血の中をひしめき合い、ぶつかり合って流れているんだよなぁーという強い感情がこみ上げてきて、「私利私欲」の世界と言ってもいい程ですか?その通りなのです!となってしまいました。
それであっても、あの起きた時の体中に残る心地よさ、満足感は消え失せることもないし、上のすみっこに浮かんでいる自分に、抵抗感みたいなものは無いらしい。この絵のままでよかったからです。今も、そう感じて書いています。
学習会を始めた頃「血の色」とか「脈々と流れる」等という言葉は強すぎて、受け止めにくい言葉でした。何か、生きていくということに、力を加えられると感じている自分でした。それが、今は、何かピッタリ合う言葉として、すんなり入ってくるのです。「私」も「欲」も手離すわけにいかないもの。それがあって、今ここにこうしている自分がいるのですよ!そうだね!と、絵の中の自分と確かめ合ったのです。
T・.I