聴き方講座講師 若狭のコメント及び声がけ
4月×日
Yさん
お友達との関係で、○○○と言うことがあって、自分では、どうして良いかわからないんですよねぇ。皆さん、どうしたらいいでしょうか。
このようなお話は、学習会の基礎グループで度々話されることがあります。そしてこれもまた、度々起こることなのですが、このお話を聞いている他の参加者 が、「そういうこと、よくありますねぇ」とか「そんな時私はこうしますよ」とか「もしかしたら、相手の人は、○○○なのではないですか」とか「そんな風に 考え込むと○○○だから、考えるのは止めたら」等々と答えてしまうことが。
困っている人の力になりたい、役に立ちたい、楽になってほしい等々・・・。そのような気持ちや、考えは聞いている側に起きてくるのも、実感しています。そのことは、聞き手側の心理であって、話し手の心理ではないですね。
聞いているこちら側は、自分の基準で勝手に分析・判断をして、アドバイスやら、良いと思う(聞き手の)考え方を、押し付けながら答えてしまいます。相手の話を聴いているのではなく自分の話を聞いている、ということにさえ気が付かずに、とても良いことをしたような錯覚までしてしまいます。日常このような関わりがなんと多いことか。
心の動きはお一人おひとり全く違うものです。言葉になっているその奥には、とても複雑で、意識にさえ上ってこない、生命体の自分が体験している『何か』が あるのです。意識にさえ上っていないので、話し手の自分には、『よく分からない』としか言い表せないでいるのです。
生命体の(自分の)『何か』に触れて、『よく分からない』と言葉になっています。『よく分からないと分かった』とそのまんま受け止めて、そう語らずには居 られないその人の『何か』に、『聴かせて戴く』を通して応えていける人になりたいと、常々思っています。 まだまだ修行中・・・です。