学習センターで学び、資格を取るには最低3年半から、4年ほどかかる学習要領になっています。(月4回・1回2時間)受講をしたいと来所或は、電話での問い合わせに、そのことも含めて説明をすると、相手の方の反応が、大きく2つに分かれます。「えぇ! そんなに長くかかるのですか!」。もう一つは「資格を取れるのなら取りますが、取ることにはこだわっていないので…」と。どちらもカウンセリングを学びたいと言う思いは同じです。しかし前者は、短期間で技法・やり方を覚えて困っている人々に役立ちたいとか、仕事としてやりたいとおっしゃる場合が多いように思います。後者は、ご自身や家族に困難を抱えていたり、職場で多くの人達と接していく立場にある人が多いようです。前者の場合も後者の場合も、学びを続けていくうちに、期間の長さや、カウンセリングについての考え方は勿論のこと、他者(自分以外の人達)との関係の持ち方等が、大きく変化していく様子が感じられます。
学び続ければ続けるほどに、人間の生きている実態は、やり方や生き方で、あるいは技術・技法で、他者から動かされる存在ではないと、はっきりとしてきました。それ以上に自分のことでもあるのに、『人間…わたくし』をまったく知らなかったことに気が付いて、愕然とし『ひと(他者)どころではない…自分をもっともっと育てていかなくては』と言う、切実な思いに駆られたりもしてきます。
年齢、性別、環境、価値観、感性等全く違う人々が集まって、日々の出来事を通し、ロジャーズの理論を理解したり、演習を行ったり・・・受講生をとおして、様々な自分に出会っています。辛く苦しいお話の中に、その方の生きて在る姿を観て、深さを持った、こみ上げてくるような感動を覚える自分もいます。その瞬間・瞬間は、私にとって技術でもやり方でもない、時間を超えた世界があるように感じています。
知識や技術は、身に付いてこそ・・・と言いますが、其れでは足りないなぁとつくづく思います。身に付けているものは落としてしまいす。 『身になってこそ』と。
きょうもまた、出会いの中から学ばせて戴きます。