夜の学習会
当センターでは、日中働いている方々が学習できる場として夜(19時~21時)
も学習会が行われています。
私のグループの参加者は、福祉や医療に従事しているスタッフの方々や、高校生など様々です。中には、70歳からカウンセリングの学びを始めた仲間も参加されています。その方(Aさん)がカウンセリングの学びをスタートしてから数年が経過しました。
今回の学習会の場にも、Aさんは参加されていました。学習会がスタートすると、久しぶりに参加したBさんがお話を始めました。Aさんは、お話をするBさんのお話をそのまま聴こうと意識されながら、Bさんが発する言葉を繰り返し確認されていました。
AさんとBさんのやり取りが終わり、聴き手だったAさんに話を聴くと「相手の話を聴く事が今までより出来たと思う」という様な言葉を表現されました。その後、グループの中ではメンバー間のやり取りが行われました。
Aさんから「さっき、相手の話を聴く事が出来たという様な事を言ったけど、他のメンバーのやりとりを見ていたら、自分はまだまだだなって思った・・・」という様な内容をお話されました。
聴いていたメンバーは、Aさんの発する言葉を丁寧に繰り返して聴かせてもらう経過がありました。その後Aさんから「今まで数年、カウンセリングの学習を続けて参加しているけど、何か、本に書いてある事や、世話人さんが話している事も理解できる・・・でも、何か、自分のものになっていない様な・・・教科書を覚える様な学習になってしまっている様な・・・仕事でもこの学びを活かせていない様な・・・」という様な言葉がありました。その後、聴いていた他のメンバーは、Aさんの話をそのまま聴かせていただくやりとりがありました。Aさんは、職場での出来事から感じた別の話題もお話され、「すっきりしました」と、言葉にされました。
<このやりとりから私が感じたこと>
「Aさん、凄い・・・カウンセリング学習しているから、わかる・できる・聴ける。って、ゴールしている事が学びの証ではない。Aさんみたいに、迷い、探し続けるプロセスに居られる姿・その力こそ、カウンセリングの学びを続けてきた証。まだまだな自分って、思える隙間があること。完成に向かってさまよいながら、居て、その事を感じる事ができている、今のAさんの姿こそ、学びの証じゃないか」と。
次の学習会の時、僕が感じた上の言葉をAさんに伝えてみよう。それを聴いたAさんは、何を想うのか・・・。
成 2024.6.14