<学校にて>
私は自身の仕事で福祉関係専門学校の非常勤講師を行っています。
教科名は「福祉カウンセリング」です。
講師が教壇に立って、生徒さんに伝える時間も大切ですが、私の授業では、人と人とのやりとりを通して、カウンセリングを体験する時間になることを意識しています。
そのため、参加する生徒さんと私も、みんなで机を繋げてグループ形式での授業を進めます。
生徒さんからは、他の授業でクリアできない課題に関する話題が語られたり、家庭生活や友人関係・就職に関する気持ちの迷いなど、様々な気持ちが語られます。
ある日の授業で一人の生徒さんが、「就職の方向性について迷っている」という気持ちが語られました。その生徒さんのお話を、私も他の生徒さんも聴かせていただきました。
その生徒さんは、語りながら涙を流していました。ひと段落して、その生徒さんに気持ちを聴くと「すっきりした」という言葉がありました。
翌週、私が学校に行くと、その生徒さんから「迷っていた就職の方向を決まりました」と言葉がありました。
生徒さんに聴くと「先週、話ができたことで、自分の中で決めることができました・・・失敗しても、まだ若いし・・・」という様な言葉がありました。
話をそのまま聴いてもらえる関係があることで、生徒さんは自分の中で答えを出す事ができた・・・。
こちらは何のアドバイスをした訳でもない・・・黙って話を聴かせてもらいました。しいて言えば、「迷っている今の時間も必要かも・・・」などの言葉は伝えました。その他、
「ここはこの生徒さんの強みだなぁ」と感じる部分を私の言葉で、その生徒さんに伝えました。
その様なやりとりを通じて、生徒さんが自分の中で出した答えです。でも、一人で悩んでいた時は、なかなか答えを出す事ができなかったところだったとその生徒さんから聴きました。やっぱり、他者との関係って必要なんだと改めて感じた出来事でした。
2024.9.10 (成)