家の近くの、サイクリングロードでのこと。日差しが、大きな木々にさえぎられ、のんびりした午後のことでした。3〜4歳くらいの男の子が、補助なし自転車の練習中です。少しヨタヨタしながらも、3メートルほどの距離を、乗りこなしました。前方で見守っていたお母さんが、拍手をしてほめたたえました。その時、すぐ脇を歩いていた中年の女性が、パチパチと拍手をしながら、何やら声がけを、男の子にしていました。
少し離れたところから、目にしたその光景に、何とも言えない、ほんわかな気分の私です。
道路を挟んで反対の歩道では、もっと小さな子が、補助なしですが、両足を地面につけて、走るように、器用に乗り回していました。
我が家の子供達もそのような時があったなぁ~。遊びや、目の前のできごとに夢中で、その世界が、全てでした。 随分昔のことではありますが…。
本人のよろこび、親のよろこび、それを目にした、周りの人の心の動き。少し時が経って、何が、私をして、『ほんわか』になったのか、自分に目を向けてみました。「わぁできた、できた。やったねぇ。」見ず知らずのお子達にも、瞬間に思いを伝え、一緒に喜こんだその姿に、心惹かれる私を知りました。
行動を通して動いた、それぞれの心に、少しでも気持ちを寄せて、何のてらいもなく、「わぁ うれしいねぇ。」「まぁ それは辛かった…。」「良く乗り越えて来られたねぇ…。」と、素直に自分を伝える私で在りたい。ほんの少しの出会いであっても、自分の気持が動いたならば、共に喜び、共に哀しめる私で在りたい。
(若)3年7月29日 筆