ブログ

2021/10/01

こころの音色 ~日々の暮らしの中で~ 42

この処 傾聴講座の問い合わせが続いています。コロナの影響で、人間関係がありとあらゆるところで、制約を余儀なくされており、文字通り、人と人の間で人間になる私達は、自分の心理状態に意識を向けることが、多くなっているのではと、思います。

 

私が、カウンセリングと出会って、30年程経っています。いかに『人間・自分』を知らないで、過ごしてきたのかが分かってきて、自分の実態が、知識とやっと統合されていくような感覚の、毎日です。これからも、更にどの様な自分に出会っていくのか、楽しみでもあります。

 

カウンセリングは、言葉を手掛かりとして、お話を聴かせていただきますが、『話を聞く』について、少し書いてみようと思います。

私達が他者と会話をしている時は、無意識に、なおかつ瞬時に、自分中心の聞き方で聞いて、聞いたことのイメージを、自分が理解できるように、勝手に膨らませて、『話しが分かった』になっています。話しの一部を聞いて、自分なりに補い膨らませ、分かったになるのは、脳の働きであって、誰でもが陥っていることです。相手の話を聞いていると言いながら、相手のままには受け取らず、自分の受け取って動いた、自分の話を聞いて分ったになっています。厄介なのは、確かめや確認はしないまま、そのことが、相手の事実だ、相手がそういう人なのだと、思い込んでしまいます。

また様々な情報や、他の人の話から知識を得ると、自分がそのように出来ているとか、言えるから出来ていると錯覚してしまいます。得た知識のとおり行動できないのが、残念ながら私達人間です。知識と行動を脳内で繋げていくには、一定期間繰り返すことが、必要と言われています。そして 更に難しくしているのは、心理は、個人個人の中で起きる動きであって、誰一人同じではない、と言うことです。固定化され、頑なな自分の考え方を、柔軟な考え方に変えていくには、それなりの年月と、望ましい人間関係が必要だなぁ、とつくづく思っています。

 

(若)3年9月29日 筆