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2022/08/15

こころの音色 ~日々の暮らしの中で~ 63

「予測の通りにはならない」

 

プロ野球の試合をテレビで見ていたら、元ピッチャーをしていた野球解説者が、投球しているピッチャーについて「この場面は事前に調べたバッターのデーター通りにボールを投げようとすると苦しくなりますよ・・・その瞬間に合う攻め方が必要になる場面です・・・そこを体験として身体で覚えていかないと・・・」という様な言葉(実際の言葉より僕の中で膨らんでいるかも)を発していました。私はその言葉を聞いて「カウンセリング場面でも同じ様な事が言えるな」と感じました。

 

理論や技法などのパターン等を知っていて、クライエントさんに関する情報を事前にもらい準備して、その理論や技法・情報を使って目の前の人に関わっても不十分なのです。その時、その瞬間に、私とクライエントさんとの関係の中で今何が起こっているのか・・・その空気を敏感に感じながら、その場面に添ったやりとり(野球で言うなら、事前データーではなくその時に合ったボールを投じる)にならなければ、表面的なものになってしまいます。

 

ここまで書いてみて、今私が何を表現したいのか、自分に聴いてみました。そこで出てきた言葉は「生きているその過程・瞬間は、考えた通り・準備した通りにならないことの方が多い。だから、頭で考えて起きていない事に悩むよりも、その場面に自分の身を置いてみて、自分が感じたままに行動できればシンプルだ」ということです。

 

野球も、準備したデーター通りに戦って勝てているうちは良いのです。ただ、データー通りに行動して戦ったのに勝てないレベルの試合があるのです。(カウンセリングや他の分野でも同様)データー以上のレベルのところが、その場面に添った戦い方(添い方)ができるか?という、戦い(添い)のコク(深み)幅などを持っているか?という事の様な気がします。

 

私は今、仕事で新しい事業に携わろうとしています。新しい取り組みであるため、自分の頭の中で不安を巡らせて頭の中が忙しかったのです。ただ、今何となく自分の感覚に沸いているのは「その時、その瞬間に感じた自分を手掛かりにしてやっていける様な気がする」というものです。だって、いくら考えて準備していても、その通りにはならないのです。ならば、これまでの体験で作られた自分を信じて、その時その瞬間の自分に聴いて行動するしかないのです。

 

2022.8.11 (成)