「待ち望んだ再会」
私は今、会社で始めた新しい事業の営業活動のために、医療機関や福祉事業所などに足を運んでいます。私の職業人生の中で今の様に本格的な営業活動を行った経験がないため、アポを取るための電話も億劫に感じています。まして、飛び込み営業となるともっと気が引けてしまいます。先日も、億劫に感じながらも「行ってみるか」と思い切って飛び込み営業を行いました。
受付の方が出て来られ、「少々お待ちください」と言葉をもらいました。毎度この瞬間は「どんな人が対応してくれるのかな・・・穏やかな人がいいなぁ」など緊張しながら待っている状態です。奥から男の担当者が出てきて私と名刺交換をした瞬間、その男性が「〇〇君でしょ」と、私の名前を呼びました。私はその男性の顔をじっと見て、「どこかでお会いしていたかなぁ・・・」と記憶をたどりました。その方からいただいた名刺の名前を見て、直ぐに記憶がよみがえりました。私は次の瞬間「会いたかった」と、涙が出そうな声で言葉を届けました。
その男性は、なんと、私が19、20歳の頃に通っていた専門学校でお世話になっていた年上のクラスメイトでした。学生時代、その男性の家に泊めてもらったり、食事をしたりと多くの時間を共に過ごした存在でした。20歳の時に学校を卒業してから1度も会う事が無い状態でしたが、私は時々その男性が当時発していた言葉を思い出したり、「今は何をしているんだろう?どこかで会えるといいな・・・でも、会ってもお互い気付かないんだろな」などと思う事が多くありました。つい先日も、その男性の名前の漢字がどういう字だったかなぁ・・など思い出していました。私にとっては学時代から24年経過していても、忘れる事のない存在でした。
その日の営業は昔話に花が咲き、お互いのこれまでの人生の経過を語り合う時間になりました。偶然が重ならないと起きない出来事でした。少でもタイミングがズレていたら再会出来なかったと思います。こういう事って起きるんですね。億劫な営業でも、時にうれしい事が起きるんだなぁと、機嫌良く職場に戻りました。
2023.2.6 (成)