予定されていた事がキャンセルになったり、少し時間が空いたりした時、ついつい過去の出来事について想いを巡らせている自分がいます。
それも、自分の中で不快に感じた出来事についてです。折に触れて出てくる回数の多い出来事は、不快を感じつつもその時の流れに任せて流してしまっていた事が多く、それが出てきた時、最近は、随分心に引っかかっていたんだなぁと改めて自分を振り返るきっかけになっています。
「最近は」とあえて文章に加えたのには、私なりの理由があります。カウンセリングの学びを重ねる前も、過去の出来事について振り返ることは沢山ありましたが、その時にやっていたのは、過去の出来事について、『何か違う方法がなかったのか』などを頭の中で一生懸命考えるだけで、自分の感情についての振り返りはしていませんでした。
相手の言葉に、態度に傷つき、不快な感情が湧いたのは私の中。そんな体験は無意識に心に刻まれていて、折に触れて出てくるようになっているのかもしれません。
自分の感情に気づく、そのまま受け取る、簡単なことのようですが、私にとっては、かなり難しいことでした。なぜなら、自然に湧いてくる感情を、とっさに頭で考えて○か×かの判断をし、○が付くものだけしか自分の感情として受け入れない…×がつくものは、そんなこと思ってはいけない…なんてことをやっていましたから。
一人で振り返っていると、頭の中で考えることが沢山出てきて、どんどん深みにはまっていく経験も何度もしてきました。それは、私の頭の中で想像しているだけで、実際に目の前で起きた事とはかけ離れていっている事にも気付けませんでした。
そこから抜け出し、自分の感情を大切に振り返られるようになったのは、学習会の中で、ちゃんと話を聴いてくださる方々との出会いと、この学びを続けてきたからだと思います。
私のことを私のこととして話を聴いてもらえると、私の中に湧いてくる感情をそのまま感じる事ができます。その感情を味わっていると、少しずつ癒されていく自分に出逢います。そのまま感じる事に慣れていなかった私は、実感できるまでに随分時間がかかりました。
自分の中で湧いた感情に気づくことができるのは、自分自身しかいないということがはっきりしてきた今、傷ついた自分を慰め、癒すことができるのも、最終的には自分自身なのだと思うようになりました。
今回振り返るきっかけとなった出来事は、私にとって非常に不快な感情が動きましたが、一方でとても大事な事に気づくことができました。そのために必要な出来事だったのかもしれません。
人間関係で傷つく心。その傷を癒すきっかけをくれるのもまた人間関係なのだと思います。人間関係の持ち方について、これからも研鑽していきたいと思います。
2021・2・21(N)