意外な訪問者
朝、キッチンからリビングの窓辺を見ていると、一匹のちょっと大きめの『蛾』を見つけました。
「あなたは、外に居るの?それとも部屋の中なの・・・?」心の中で問いかけながら何となく目で追っていると、どうも部屋の中にいるということがはっきり見て取れました。
一瞬「うわぁ」とひるんだものの、なんせ一人暮らしですし、にゃーこに見つかると大惨事を招きかねないので、自分でどうにかするしかない状況です。
「さてどうしたものか・・・」頭の中に持ち合わせている限られた情報の中で、この状況に見合ったものを見つけ出し、作業が始まりました。
① 『奴』を生きたまま脱出させたい。
② 『奴』は、カーテンレールの上の方に居て、手が届かない。
③ 虫取り網…家にはないので、代わりになるものを探す。
④ 以前ドラマでみた簡易虫取りを針金ハンガーとビニール袋を使って作成してみる…
その間『奴』からは目を離さない。
⑤ ゆっくりと近づき、そっと被せる。
ここまでは想定通りに、動けましたし、よしよし…と思いながら簡易虫取り袋を動かした瞬間、『奴』がポロリと落ちてしまいました。
落ちた所には観葉植物の鉢植えがいくつもある場所で、一瞬姿を見失ってしまいます。
「あ~何処へいったの~」問いかけても答えてはくれません。
落ちた方向にあった鉢を1つずつ確認すると、鉢と水受け皿の間におとなしく居るのを発見。鉢をよけ、受け皿をもち、窓から『奴』を脱出させることに成功しました。
この間、騒ぐこともせず、冷静に状況を判断し、行動していた自分を振り返って、実は自分が一番驚いています。というのも、これまでの自分は、虫を見たら、まずは、とにかく騒ぐから始まっていましたし、誰かが居たら、騒いで任せて終了させていただろうと思うからです。『奴』のおかげで、今の自分の新たな一面を知るきっかけになりました。
一人暮らしに慣れてきたということ?それだけではなさそうです。
状況を見て、判断し、行動を選択する、この一連の行動について、普段余り意識することなくやっていたことを、今回、『奴』を外に出すというミッションに集中し、その時々に変化する状況の判断、それに伴う行動の選択を一つ一つ意識しながら動いていた自分がいました。ミッション終了後、そんな自分に満足していたことにも気づきました。
自分の行動は、自分で選択していることを意識してみると、上手く行けば満足するし、上手くいかなかったとしても、そこから学んで次に活かしたいと思います。今までもたくさんの体験を重ねてきてはいますが、自分に意識を向けたことで得られた感覚の受け止めが、これまでとは違っていたような気がします。こういう体験の重ね方を大事にしていきたいと改めて思いました。
ただ、『奴』がどのタイミングで我が家へ侵入したのかは、いまだ謎のままです。
2021,9,9 (N)