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2023/04/22

ちょっと一息 80

「Aさんと布草履」

30年以上前、単身札幌に来て就職した時の上司だったAさん。

お料理上手で、Aさんの作った飯寿司は、絶品。私が退職してからも時々お裾分けを頂いては近況を報告しあう関係が続いています。ただ、ここ数年大流行した感染症もあって、会う事もできず、今年の年賀状に「Aさんの飯寿司食べたい!」と書いたところ、先日、「食べて無くなる前に届けます」と連絡をもらい会う事ができました。

 70代のAさんと50代の私。歳を重ねているのはお互い様のはずなのに、私から見たAさんは、見た目あまり変わりなくお元気そうで、聞けば、お家で居酒屋メニューを作って楽しんだり、布草履を作ったり、色々な手仕事を楽しまれている様子。話に出てきた布草履に興味を持った私に、すかさず、「一緒にやってみる?」と声をかけられ、Aさんのお宅へお邪魔して教えて頂くことになりました。約束をしたことで、「次にまた会えることが嬉しい。」と言って下さり、私もとても嬉しくなりました。

 Aさんのお宅へ伺うのは何年振り?そんな時間が流れていたにも関わらず、ちゃんと迷わず行けた自分に驚きながら、玄関の呼び鈴を鳴らすと、左手にギブスをまいたAさんの姿。庭で転んで剥離骨折したとのこと。状況を伝えて、日程をずらすこともできたはずなのに、不自由なりに一緒の時間を楽しみにしてくださっていたAさんのお気持ちが伝わってきたので、そのままお邪魔して、布草履作成となりました。 

 「こういう手作業好きだわ~」やりながら呟いていました。そういえば私、手芸全般好きで、集中するとそれだけやっていたような…そんなことも思い出したりしていました。

 最初は丁寧に、ある程度できるようになったら静かに見守り、Aさんが気になった所は指摘して一緒に確認してくれる、おしゃべりもしながら、適度な集中と緩和が心地よい時間でした。出来上がりまでは少し時間がかかりそう…次回は5月に入ってからになりそうですが、それまでに宿題も出されています。

「会える時に会っておかないと何が起きるかわからないから…会える時に会おうね。」別れ際にそう言って下さったAさんの言葉が心にとても沁みてきました。いつでも会える距離だからといって、行動に移さなければ会わないままで終わってしまうこともあるのだと…会いたいと思った時には自分で行動することが大事なんだと改めて思いました。Aさん、ありがとう。またお邪魔しますね。

                       2022・4・11(N)