一期一会
大好きなアーティストのコンサートへ行ってきました。
50周年アニバーサリーということで、2夜連続で行われたコンサート。
1日目はいつも一緒に行く友人と。2日目は一人で。
偶然お隣になった初老のご夫婦。ご主人が、コンサート開始前に座席に座った奥様を一生懸命写真に収めておられました。
「せっかくだから、ご一緒にお撮りしましょうか?」自然に声を掛けた私の言葉に一瞬ひるまれ、そして申し訳なさそうに「お願いできますか?」とスマホを渡し下さいました。
この出来事をきっかけに少し会話が始まり、遠くからJRで来られたこと、チケットの手配はお嬢様がして下さったことなどを嬉しそうに語られました。
夫婦二人で一緒にコンサートへ赴く…なんて素敵なんだろう…それだけで、私は心が暖かくなるような、そしてちょっぴり羨ましいような気持になりました。
私がこのコンサートを楽しみに、日々の暮らしを頑張っていたことをお伝えした時に、「お若いから気軽に来られているように見えますが、この日を楽しみに、頑張ってこられたんですね。」と返して下さいました。その応答で私は改めて楽しみにしていたことを味わい、「そうなんです。」と元気よく応じながら、より一層ワクワクが増したように感じました。
コンサート中はその世界へどっぷりと浸かり、あっという間に終演。
会場のライトがともされた時、お隣のご夫婦へ「明日はお気を付けてお帰りくださいね。」と声をかけお別れしました。
外に出れば、帰り道はどしゃ降りで濡れネズミ状態でしたが、そんなことはどうでも良いと思えるくらい気持ちは晴れやか…そのくらい満たされたコンサートでした。
翌朝は、昨夜のお天気が噓のように晴れ渡り、そのお日様をなんともありがたく感じ…少し気だるいのは昨夜の大はしゃぎの影響か…と自分の年齢を振り返っては苦笑い。そして、ご夫婦が無事に帰られることを願う私がいました。
一人だったからこそのご縁だったのかもしれません。一期一会のコンサートがいつも以上に彩られた感じがしています。 2023・11・19(N)