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2011/09/05

表現療法 感想文

表現療法に参加して


これまで、勉強会の中で二か月に一度表現療法を学ばせて頂いていました。心のイメージ描画法、SHTP法、樹木画・・等、描画法を私も体験し、その都度、私自身の無意識の部分、なんとなく意識しているものの一人では客観的に観る事が出来なかった部分を、シェアして頂く事によって知ることが出来た驚きがあり ました。そして表現された、描かれたものに、「上手、怖い、綺麗・・」等の評価、判断は、全く伝える処ではなく、こちらの勝手な思い込みや、決め付けで見ない事が大切ですと勉強しました。そこを踏まえ、その時その時の私なりにシェアさせて頂いたり、先生や周りの方にシェアして頂いた経験から、「決めつけて勝手な想像で見てしまわない」事で、表現した側は安心して言葉に出来る、自分が表現した自分を見る事が出来る、描いて言葉に出す事で「スッとしたなぁ。」 そして、気持ちが落ち着いたなぁ・・。を体験した事もありました。シェアさせて頂く側の在り方も少しずつ学んできました。

私は初期の頃、箱庭、コラージュ、表現療法で表現する時に、思うまま自由に表現するより、人目を気にした「作品」を作っていたようでした。思いだすと恥ずかしくなりますが、あの時そう表現出来たから、その様な自分に気付き、今へと繋がっているのだと思っています。クライエントさんには、始めから思うまま、感情を発散するかの様に表現される方ばかりではなく、自分を護りながら少しずつ表現される方もいらっしゃるのでしょう、それぞれの動き方、その方に添った関わりがしたいと思いました。

表現療法の研修会には、これまでの私の体験、学んだ事からさらに、他の参加者の方達とシェアし合う事で、共に学ばせて頂けそうだと思い参加する事にしました。シェアし合う・・始まる時は、「私の言葉で、誰かを傷つけることになったら怖いな、怒りをぶつけられたら怖いな。」そんな考えがふと浮かんではちょっと緊 張して、少し手に汗を掻いていました。研修会が始まり、若狭先生の言葉通りに呼吸をしてみました、掌を上に向け、深く、呼吸をしてみました。気持が「呼吸をしてみよう」の方へ向いていきました。音楽を聴いている頃には、少し眠い位に落ち着いていました。目を瞑り、呼吸をする事で落ち着いた状態になることを、体験したことが無かったので、不思議な感じがしました。

私は、落ち着いた状態のままでいられたので、その次に行われた「貝と会話」は、イメージがしやすかったです。自分の気に入る貝を直感で手にする事が出来た事や、風景もすっとイメージされたのを覚えています。貝との会話は、私の「貝」へのイメージが「口が堅い、無口、静か」というもので、私が主に話して、沈黙が続き終盤に貝が私に対してぴしゃりと貝自身の言葉をくれる。直後皆さんにシェアして頂いた時に、私は、自分が持つ貝のイメージから、「こういう会話になるだろう。」という想像で、貝との話を進めた私だったんだな。と解った時、自分が「今私は、あくまでも想像したその方と話をしているんだ。」と成れる方向へ向かっていると感じました。私にとって、そこは、私と他者を区別するのにとても必要な事なのです。

 

o0327024512180032851午後から行われた表現療法「私へのプレゼント」。ウォーミングアップにその時の心象風景を描きました。夕焼けに染まった雲と今にも雷が落ちて来そうな暗い灰色の雲を斜めに挟まれ、青空に向かって旅客機が飛んで行くという風景画でした。描いている時は気が付きませんが、その後シェアして頂いた時、先生から 「何か新しい処が始まりそう?」と訪ねられて、そこは光を受けて見えている私や今にも怒り、じめじめと涙を流したり、雷を落としたがる私、そこをバランスを保って沢山の自分を乗せて無限に青空へ向かって進む私、その全体をこちらから見えている私。シェアして頂いて気付けた事が沢山あって、「表現したもの、全部私。」をはっきりと体験し、大きな感動をしました。

 

o0327024512180032795「私へのプレゼント」は、ハートで中央に描いた自分の左右に道を描き、左、過去の自分へのご褒美、私は過去の私へ「おかあさん」を。右、未来への自分へのプレゼントは犬、猫、車。を描きました。この中で私にとってとても大きく意味を持っていたのは、左に描いた「おかあさん」でした。過去の自分へ私のイメージするおかあさんを置いてあげる事で、私の中で「これでいいね」と納得し、満足いく気持ちを味わえました。少し、涙が出そうになりました。

 

参加者の方々が描かれた絵を、皆さんと一緒にシェアさせて頂く事も学ばせて頂きました。一人一人、描かれているその方の処は、私には、とてもデリケートな重みのある、尊い絵に感じる様になりました。描かれた絵について、訪ねてばかりだと、自分の想像を確認するだけの作業、方向になってしまうので、その方の言葉、私はこういうイメージだけれども、その方は、どんなイメージを持って描かれているのか。聴かせて頂いたら、繰り返し言ってみることを、私なりに体験できたと思っています。貴重な学びの時間を得られた事、世話人の若狭先生、参加者の先生、皆さんに感謝しています。

M・N