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2010/03/21

エンカウンターグループ研修会 感想 6

平成21年9月19日、私にとって2回めのエンカウンターグループ研修会に参加させて頂ました。今回の参加に当っては、何か解決したい問題や自分にとってのテーマなどは特に無かった為か、当日研修会が始まるまではとてもリラックスした気持ちでした。会場に入りまわりを見渡すと、初対面の人が多くまた私より若い人が多いなぁという印象を受けました。この時から私の中に緊張が生まれました。
後から気付いた事ですが、私にとって自分より年が若い人や初対面の人は緊張の対象になるようです。その事以外は特に問題も無かったので「今回は何も言わなくていいや」という参加の仕方で行こうと決めましたが、初日の午前中はその場に居る事がとても苦痛で参加した事を後悔しました。

午後になり、お隣の方の「苦しい」という言葉に反応した私がしゃべり出しました。「何も言わなくてもいいや」と決めた私とは別のところからやって来た反応でした。自分の苦しい思いを吐き出すととても落ち着き、そこにスペースが出来ました。「やっとグループの輪の中に座ったなぁ」という思いでした。

1日めが終了し、午前中に感じていた苦痛はすっかり姿を消していました。今朝からの事を振り返り「苦しい」気持ちを言わせてくれたみんなに感謝の気持ちが湧いて来ました。せっかくの連休に家族と過ごしたい気持ちがありながら今回の研修会への参加を選んだ自分の中の小さな葛藤を感じながら、休日出勤のお父さ ん達もこんな気持ちなのかしら・・・と思ったりしました。嫌な事を嫌だと言う事を私は今まで何の疑問も持たず行って来たけれど、そんな事が出来たのは陰の部分を引き受けてくれた人が居たからだという事に改めて気付かされました。自分がどれ程大切にされていたのか気付かない程私は鈍感だったようです。

父や夫への感謝の気持ちを抱きながら帰宅し、たまには夫に日頃の労をねぎらう言葉でもかけてあげようと思っていたにもかかわらず、夫は友人と飲んでいたようで無断外泊をし朝刊と共に帰宅しました。普段の私であれば小言の一つも言うところですがなぜかその時は、「この人が自由に遊んで来られるのは私が家庭を守っているからだ」という強い思いが湧いて来ました。

少し話はそれますが、この数ヶ月私はとても疲れていました。それは自分の「考え」と「行動」が合致しないところにありました。例えば私は休日の朝は自然に目が覚めるまで眠っていられる事をとても幸せに感じていて私にとってはとても大切な事だったのですが息子が中学に上り部活を始めてからというもの、休日も早く起きておにぎりを作って持たせなければならなくなり幸せな朝を迎える事が出来なくなってしまいました。

何度も何度も心の中で「コンビニでオニギリ買って食べなよ」と息子に言いたいと思うのですが毎日がんばっている息子の事を思うとどうしてもその言葉が言えずにいました。仕事でも一週間ぐらい休みを取りたいなぁと思いつつ、利用者宅で「待ってたよ」と笑顔で言われるとどうしても「来週休みますから」とは言え ないでいました。

そしてこの「思い」と「行動」が違うところで私はストレスを抱えていました。
なんで思った通りに行動出来ないのか、自分の優柔不断さに辟易していました。
ところがこの夫の朝帰りの時に「私も家族を守っている」という思いになった瞬間からわかり始めました。 私は朝寝坊するよりもおにぎりを作ってあげたかった。
私は休みを取るよりも利用者の笑顔が見たかった。
全て誰かにさせられていたのではなく自分がしていた事。自分が選んでいた事。
その事に気付いた時、昨日「何も言わなくていいや」と決めた自分と苦しくなってしゃべり出した自分が重なり合い統合されて行きました。

私の「考え」は「本当の私」では無く「本当の私」は親としての役割を果たし職業人としても務めていました。自分では気がつかないうちに、後ろを振り返ると大切な人達が連なっていて、その事に気付かず自分一人の時と同じスピードで走ろうとしていた為にとても疲れていたように思いました。これからは連なっている人や物や事柄を考えてギアチェンジをして走らなければならないなぁと思った時責任を感じると共に自分自身をとても誇らしく感じました。今まで私はずっと父や夫にぶら下がって生きて来たと思っていましたが、やっと同じ位置に立てたような思いでした。
このことをみんなの前で話せた時 私は昨日までとは全く別の私に出会っていました。昨日「苦しい」というたまたまお隣に座った彼の発言によって私は違う自分に出会わせて頂いた、まさに「貴方に、私は私を得」る事が出来たようでした。

2日め、このことを話し終えると、今度は私の中に「ロールをやってるんだから聴いてみなきゃ」という思いがして来ました。でも上手く聴けるだろうか、どこで入れば良いのだろうかと思い悩んでいるうちに時間が過ぎて行ってしまいました。

それにしても「自分なんか・・・」と思っている人や「初対面の人ばかりで緊張する」と言っていた人が他にも何人もいたのが印象的でした。

1日め、私の目には私以外のみなさんは自信にあふれて見えていたのに、ふと「みんな同じなんだな。それなら今度は自分から一歩近づいてみるか」とい思いが浮かんで来ました。
3日め、私にとっては最終日でした。たまたま先生の隣に座ったのですが、先生から「誰かと関わらせてもらったら・・・」と声をかけられた瞬間から気持ちが泳ぎ出しました。「上手く出来ないんじゃないか」「どうすればいいんだ」などです。Hさんと関わらせて頂いた時、自分の中では勉強会のようにやってみたつもりでしたが、その後のOさんの発言があったところで自他の区別がうすれ何か自分が失敗した気分になってしまい「聴く」という事から離れてしまいました。

午後のセッションで先生に関わって頂いた中で「聴く」という事が体験として感じる事が出来たなぁと実感する事が出来たのですが、その時Iさんの中で何かが動いた様子を見てとても驚かされました。あの時のIさんはきっと「私に、貴方は貴方を得」たところだったのだなぁと思い その事を見せて頂けた事をとてもうれしく思いました。

今回の研修会では普段ロールを勉強していたおかげで自他の区別が以前よりもだいぶはっきりして来たように思えました。

人とふれ合う事、昨年のエンカウンターの時から思っていた事、いつかわかり合える誰かに出会える事を待ち望んでいたけれど、「わかり合える誰か」とは私と同じ考えを持った人ということではなく「わかり合う」という事はまず「違いを認める」事から始まるのではないかと思うようになりました。

またひとつ概念が大きく変わった貴重な3日間でした。
全てのみなさんに感謝申し上げます。

Y.D