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2021/03/01

こころの音色 ~日々の暮らしの中で~ 28

こころ

 

一カ月ぶりにお目にかかった人のお話です。

 

「随分前から、人は一人一人違っていて、違っていることが、尊いことだと学んできました。でも“駄目な自分”“どうして良いか分からない自分”そのような自分が尊いだなんて、どうしても思うことができませんでした。だけとこの度、本当にそうなのだなぁって、分かったんですから…。」と少し興奮気味に、お話を始めました。

「どうして良いか分からなかったし、恐ろしかったので、できるだけ状況が近い人達の考えや、対処の方法を知りたくて、調べてみました。だけど、家族の状況や状態が似ていても、それぞれの、状況に対する思いや考え方が、全く違っていました。その時『本当に一人一人の心音が違っている。違っているその心音が尊いことなのだ。』と、理解できました。そうしたら、色々起った出来事に対して自分はどうしたいのか考えて、ブレルことなく、自分を貫くことができました。ここの処はドキドキでしたけれどね(胸のところを軽く叩きながら)。頑張ったんだぁ 私」

 

置かれている状況や、心の不安定さから、少しでも楽になる解決策はないかと、必死の思いで調べている彼女の姿と、心音の言葉に深く触れた時の感じて動く在りようが、目に見えるようでした。出来事に対する、直接的な解決策は、得られなかったけれど、(むしろ、解決策以上の一つの境地。)人間存在の根源に触れた瞬間に、目に見えない不安に立ち向かう力と、精神状態が安定する妙薬… を得たのでしょう。  

自分のものになるには、何事も長い年月をかけて、『ああでもない、こうでもない』と繰り返し、悩み、迷いながらの体験が、必要になります。達成できたそのことよりも、そこに至る迄の過程に、とても、価値があると思っています。

相互の関係性があって、心が音を響かせます。心地の良い音も、不快な音も。

 

たった今のあなたの心の音は、どの様な音色でしょうか。 

(若)3年3月1日 筆