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2023/04/15

こころの音色 ~日々の暮らしの中で~ 79

「母からの学び」

 

76歳になった私の母は、昨年まで長年の間暮らしていた地域を離れ、私が住んでいる札幌市内に引っ越してきました。それと同時に、長年在籍していた「よさこいソーラン」のチームから引退しなければならない流れになってしまいました。

 

札幌に引っ越してから、慣れない地域での生活に戸惑っている母の様子を感じる場面が多くありました。でも母は持ち前の性格を活かして道でも店でもわからない事は何でも近くに居る人に聞いて何とか生活する事が出来ている印象でした。ただ、趣味である「よさこい」に関われない事に寂しさを感じているという言葉をたまに話す事がありました。

 

この度、母が在籍していた「よさこい」のチーム関係者から母に連絡があり、その方から「バスに乗って札幌から来て練習に参加すれば大会に出られるしょ・・一緒に参加しよう」という言葉をもらった母は、札幌からのバス移動について調べて札幌から遠方にある地域まで1時間かけて毎週一人でバスに乗りよさこいの練習に参加する様になりました。

 

札幌市内のバス停までは、私と僕の妻で母を車で送ります。バスが来るまでの間、私と妻も車から降りてバスが来るのを待って母がバスに乗り込むのを見送るのが定番になりました。バスを待っている母が「お母さん踊りの練習少ないから、みんなについていけるだろうか・・・お母さんだけ踊り遅れて目立つんじゃないかぁ・・・でも、その方が目立っていいかもね・・・背中に76歳って書いておくか・・・」など言葉にしました。

 

その言葉を聞いた私の中で、「なんて素敵な発想なんだろう・・・楽しむという概念が凄く広いひとなんだぁ・・・」という言葉が沸いてきました。その後私は母に「お母さんの中で、上手く踊るとかじゃなくて参加できるという事で既に目的を満たしている様に聞こえる・・・参加できる事それを味わうという様な・・・うまく踊れなかったとしても楽しめる・・・」と伝えました。

 

母は「そうなのさ・・・誘ってもらえた事がもう嬉しくて・・」など、よさこいの話をする時の母の顔や声のトーンから幸せな感覚が伝わってきました。それにしても76歳の母にエネルギーを感じます。好きな事を続けられるって、その人の中での大きなエネルギーになるんだと改めて感じました。

 

2023.4.10 (成)