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2021/11/22

ちょっと一息 46

満月の夜に

 

 11月19日は、満月で部分月食…月の97.8%という大部分が欠けるという皆既月食に近い月食を観測できるという日でした。その情報を目にした数日前から、『見たいなぁ…』と思っていました。

 当日、期待とは裏腹に午後から雨降り。『何だかなぁ…無理なのかなぁ…』と諦めかけていましたが、夕方16:30頃、雨は止み、雲はあるものの星もチラリと見える状況。家から月が見えるはずの方向は厚い雲がかかっていましたが、思い切って『よし、行ってみよう…』と車に乗り込み、見晴らしが良く、駐車場が遅くまで空いている大きな公園を目指して車を走らせました。

 運転中は、月を確認することができていませんでしたが、『見えたらいいなぁ…』というワクワク感と、雲の厚さに対する不安が行ったり来たり。公園の入り口に入り、ひらけた場所で欠け始めた月を確認した時、

「めっちゃきれいじゃん!」と声をあげていました。

 情報によると、北海道では月が見え始める時間帯では、すでに欠けた状態であるとのことだったので、欠け始めの確認はできませんでしたが、左から欠けていく月を車から降りて見ていたら、あまりの強風と寒さで見ていられない状況に…慌てて車に戻り、広い駐車場で車の中からその変化を眺めることになりました。

 ゆっくりと少しずつ細くなっていく月、最大月食の時は、右下だけが細く光り輝き、その他はボヤッと鈍い光が月の丸い存在を感じさせてくれる不思議な光景を見ることができました。

 今は、自然現象の多くが解明され、知りたい情報は色々な媒体で調べることができます。実際の月食を見ている時の私は、事前に調べた頭の中の知識と実際の月の変化を観測して知識を深めるというより、変化していく月を見て、その都度感じる心の動きを味わいながら、色々と想像の世界を膨らませるという楽しみ方をしていました。こういう楽しみ方を私は好む様です。

 月光が満ちる時は蛍の様に下から光が増していきました。半分くらい月光が戻った所でふと時計を見たら2時間以上も経過していてびっくり!慌てて車を発進させました。

 帰り道は月を背に走るので途中経過は見えませんでしたが、家に着いた頃には、右上が少し欠けた状態の月が見えていました。家の中で過ごした後、満月に戻ったことも確認できました。

 そして今日の出来事を文章にしている今、外は雪交じりの雨が大きな音を立てて降っています。

 この天気状況の中、数々の条件が揃って、神秘的な天体ショーを堪能できたことに驚きと喜びで満たされています。

                          2021・11・19(N)