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2020/12/15

こころの音色 ~日々の暮らしの中で~ 23

泣ける強さ・・・

 

 悩んでいるAさんが涙を流しながら私に言いました「私はこの年まで親離れできないで暮らしている。・・・親から離れようと思うと、こんな風に悲しくなって泣いてしまう。もう大人なのにこんな風に泣いてばかりで・・・こんな自分は弱いと思う・・・情けない」と。その言葉を聞いて私は、「悲しくて涙を流す自分のこと、弱い自分って思う?・・泣くことは良くないことで、大人は泣かないもんだって・・・情けない?」と言葉を返しました。Aさんは「小さい頃から泣いてばかりでメソメソしている。・・・泣くんじゃないってみんなから言われるから辛くなる・・涙をこらえなきゃって我慢するけど・・・」と言葉にされました。私はAさんに対して「泣きたい気持ちなのに、泣かない様に我慢するって辛いですよね・・・・・泣きたい時って、泣いていいんじゃないかなぁ・・・泣いていいよ・・」と伝えました。Aさんは直ぐに大粒の涙を流して声を出して泣きました。

 

 しばらく泣いて落ち着いたAさんに対して私は、「泣いているAさんと一緒に居て、悲しい時に泣けるって強さだと思いました・・・自分の気持ちを出せる強さ、泣く事は弱さだけじゃない・・・悲しい時に泣けるAさんは強いと感じました」と、ゆっくり伝えました。Aさんは「え、そうなんですか?泣く事が強いこと、私の中にある強さ?」と言葉にされました。私はAさんに「驚きですか?」と訪ねると「はい、そんな風に思う事もできるんですね。なんか新鮮です・・・少し気持ちが晴れてきた感じがします」と言葉にされました。

 

一般的に「泣く」イコール弱い、怒るイコール強いとか捉える事が多いと思います。しかし、物事には逆の捉えがあり、「泣く」を強さ、「怒る」を弱さ等と捉える事も出来ます。「強い犬は吠えない」っている言葉もありますよね。

2020.11 (成)