環境に適応する力
久しぶりに主人が乗っている車を運転する機会がありました。
その車、以前は私が乗っていたものでしたが、どうも感覚的に違和感を覚え、なんとも運転し辛い。
こんなに運転し辛い車だったかしら?と一瞬思いましたが、車ではなく、自分の感覚が今乗っている車の方にすっかり馴染んだということなのだなと気付きました。
新しい車になって2年。これまで何度も主人の車に乗る機会はありましたが、短い時間で近所を走る時にはあまり感じることがなかった感覚でした。
車が変わった当時、様々な違いに違和感を覚え、「この車と仲良くなれるのか?」と思いながら運転していたはずなのに、いつの間にか今の車の感覚が自分のものになっていたのですね。
『習うより慣れよ』…「教えられるよりも自分で体験を重ねたほうが身に付く」ということわざと同時に、
センターで学んでいる人間の姿(実態)にある「人は環境に影響を受けつつ、適応していく力を持っている」という言葉が浮かんできました。
新しい車が来て、それを運転せざるを得ない環境下で、実際に運転しながら、体験を重ねることで、これまでとは違う新しい車を運転する感覚が自分のものになっていきました。
自分のものになるには、置かれた環境の中で、影響を受けつつ、自分なりの体験を重ね習得していく期間(過程)が必要でした。車が違うことは理解できていても、すぐには対応できず、実際に運転する感覚の違いを少しずつ修正し、自分のものにしていった感じです。これは、環境に適応していく力が機能していたということ。私だけではなく、人には環境に適応していく力が備わっていることを改めて意識しました。
いつの間にか、知らず知らずのうちに自分の当たり前になっていることも、一つ一つ観ていくと自分がその環境に合わせて体験や行動しながら、自分のものにしてきたのだと理解することができます。
こうやって文章にすると、今の自分の環境とその選択について問い始めている自分にも出会います。
日常の小さな出来事から、自分の中で何が起きていたのかを観ていくことが出来るようになってきたのも、このセンターでの学びを重ねてきたことで自分のものになりつつあるところです。
2024・6・17(N)