「思い込みって…」
以前働いていた職場で仲良くして頂いた先輩がいます。
年齢は現在70代になっておられる方ですが、ありがたいことに、今でも時々連絡を取る関係が続いています。
退職した当時は、それでも1年に何度かお目にかかる機会がありましたが、今では1年に一度電話で話す程度になっていました。
先日、その方から久しぶりにお電話をいただき、色々な話をした後で、「そういえば、トミーちゃん(彼女は私をそう呼びます。)随分前に新聞で読んだけど、○○町で始まった△△事業は、トミーちゃんが始めたんでしょ。」と言われました。身に覚えのない事を、まるで事実の様に伝えられ、「ん?」
よくよく話を聴いてみると、新聞からの情報は、○○町、△△事業が始まった、立ち上げた方のお名前は書かれておらず、子育てを経験した50代の女性で、心理に関わるお仕事をされているということ。
確かに私は数年前、○○町へ仕事で行っていた事があります。そして、子育てを経験した50代女性で心理に関わる仕事をしています。彼女は、新聞を読んだ瞬間から、トミーちゃんだ!と閃いたそうで、そこからずっと思い込んでいたとのことでした。
極端な例だと思われるかもしれませんが、何かの現象に遭遇して、自分では良く分からなかった不足している情報を、自分の分かる範囲の中で勝手に補い、確認もせずにそのように思い込むというのは、日常よく見られる光景です。そして、それをまるで事実の様に錯覚してしまう。錯覚した本人の中で起きている事なので、事実とはかけ離れていようが、確認や修正がされるまでは、それがその人にとっての事実となります。これが、時に、関係が壊れてしまう原因に繋がることもあるので、気を付けたい処です。
今回、幸いにも、彼女が伝えてくれたことで、誤解だと修正することが出来ましたが、伝える機会がないままだと、そのまま思い込みは続いていたことになります。本人もそのように笑ながら言っていました。
誤解を解いた後で私は、「これは、あれだね。ご無沙汰して情報が更新されないのがダメだったね。ごめんね。あまり間を開けずにまた、連絡するね。」と伝え、彼女は「そうだ。そうだ。」と笑ながら応えてくれ、電話を切りました。
2025.4.18(N)