横断歩道の旗持ち
小学校の新学期が始まるころ、必ずといっていいほど、保護者の方々が交差点で黄色い旗を掲げて子供達の横断の見守りをされています。
先日、車で出勤中に通りかかった比較的大きな交差点で、信号が赤に変わり車を止めた時、横断歩道手前の歩道から旗を横に出して、立っておられる方を見かけました。
息子が小学生の頃、PTAの係の一つにあったよな…朝早くから、大変だよなぁ…寒そうだよぁ…なんて思いながら見ていると、遠くの方で、やはり旗を持って、誘導されている方が目に入ってきました。
その方は、横断歩道の途中まで出て、右左折で来る車の前に立ち、横断する子供たちが通り過ぎるまで車側に身体を向けて通せんぼをするように両手を広げておられました。子供たちが通り過ぎてからも渡り終えるまで、目線は子供たちの方に向け、ご自身は渡り始めの場所へ戻る動作を、信号が変わるまで何度も繰り返され、そしてそれは小学生だけにではなく、高校生や大人が渡るときも変わりませんでした。
同じ役割を担ったお二人ですが、その行動には随分違いがあるなぁと眺めていました。どちらが良いか、悪いかの話しではなくて、どちらもあるよなぁ…と。
一定の約束事はあったにしても、細かくは決まっていないであろう役割の中身を、どの様に受け取り、行動していくのかは、それぞれの人に委ねられているところでもありますし、それについてとやかく言える立場でもありません。ただ、こんなに寒い冬の朝に、その役割を遂行しておられるお二人には、頭が下がる…と、暖かい車の中で想いを巡らせていました。 (N)