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2020/12/01

こころの音色 ~日々の暮らしの中で~ 22

今年もあと少しになってきました。

先日の寒さに寝具が気になり、押し入れの高い所に置いてある丹前を出してみようと思いつきました。母が縫ったものです。大正生まれで、亡くなってから9年程経っています。元気な頃に縫い上げた物なので、其れよりも随分前に作ったものです。母の思い出の品として使用するには勿体なく、大切に(?)しまい込んでいました。が 使用せずにいると、一度も使うことなく、そのまま残されていくと思い、使用することにしました。久し振りに開けた包には、綿入り丹前が2着。

思い出すことも殆どなかった記憶が、次々とよみがえってきました。

 

和裁の先生をしていた祖母に育てられた母は、本当にお裁縫が得意な人でした。家には長く分厚いばん板があり、40代、50代の頃の母は、その前に座ってお裁縫をいつもしていたものです。私が結婚した時に持ってきた着物のほとんどが母の仕立てでした。

昔は今に比べると家の造りも暖房もずっと不十分でしたので寒さが厳しく、肩あて布団と称した長方形の綿の入ったものを、作ってくれました。枕の上に敷いて両肩を包んで寝たものです。頭や耳までが暖かく包まれていました。

またある時には、2階の1間で縫い上げた布団の皮(布)を大きく広げ、綿と真綿をふかふかに積み、掛け布団や敷布団を黙々と創っていたこともありました。何か充実感を持って、楽しそうに仕上げていた姿が思い出されます。今思うと、何と凄いことをしながら、5人の子供達を育ててきたのだろうと思います。子供達のセーター・手袋・靴下は,もちろんのこと、生活全般が手作りでした。きっと どこのお母さん達も、生活の中での手仕事が、当たり前だったのでしょう。

 

真冬でもあまり室温が下がらないマンション暮らしの今、丹前の出番はもう少し後になりそうです。今年の冬は、大切には変わりがないけれど、使っていこうと思っています。

 

(若)2年11月27日 筆