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2021/11/01

こころの音色 ~日々の暮らしの中で~ 44

 ベランダに、クンシランの鉢植えが5鉢並んでいて、ガラス越しに、毎日眺めています。2鉢を株分けして増やしたものです。

 10年前に、一軒家からマンションに引っ越してきた際に、荷物をかなり処分しました。私達夫婦の年齢を考え、日々の暮らしに便利で、使い勝手の良い住居に、住み替えたのです。クンシランは、沢山有った鉢植えの中から、好みと育てやすさで、持ってきた物の中の一つです。今ではこの鉢物しかありません。

 以後新たに鉢を増やさない様に、心がけていますが、春になると、花の苗に心が動きます。お花屋さんの前を通るたびに、欲しくなる気持ちを抑え、「眺めるだけ…。」と自分に言い聞かせながら、ついつい立ち止まっています。しかし年齢のせいでもあるのでしょうか、いつの間にか生活全般に関心が薄くなりつつあります。「まぁ 良いか…。」と、省略されたものは、忘れ去られ、そのままになっていきがちです。

 鉢植えも然りで、土を変えたり、鉢替え等の、手間暇をかけることが、億劫になってきています。クンシランも、もっと手をかけると良いのでしょうけれど、気が付いた時の水やりと、追肥だけ。凄い生命力で、葉は立派で大きく見ごたえがあり、毎年花をつけます。手をかけ過ぎないことが、この花には、合っているのかも、と勝手に都合良く、分かったつもりになっています。

まぁこれで良い! 花の育て方は、花に聴いて教えてもらうしかないのだから。

 

久し振りに暖かな日差しの中、トンボが羽をキラキラさせながら、鉢の上を飛んでいきました。

家に入れるのは、もう少し寒くなってからにしよう。

 

(若)3年10月28日 筆